チャイコフスキー : ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23

Eyes on the sun

ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23はピョートル・チャイコフスキーが、友人のモスクワ音楽院院長のニコライ・ルビンシテインに刺激を受け、初めて作曲したピアノ協奏曲である。
チャイコフスキーは当初ニコライ・ルビンシテインを初演者と目し、彼に献呈しようと考え、師であるルビンシテインに評価を仰いだが、酷評され、やむなく、セルゲイ・タネーエフへの献呈を目して作曲を進め、オーケストレーションが完成した後で、著名なドイツ人ピアニスト・指揮者のハンス・フォン・ビューローへ献呈した。
1875年10月25日ハンス・フォン・ビューローのピアノとベンジャミン・ジョンソン・ラングの指揮によりアメリカのボストンにて初演され、大成功を収めた。
第二次大戦後、米国でこの曲の演奏頻度が急増した。その理由としてはトスカニーニとホロヴィッツが共演した名盤や、第1回チャイコフスキー国際コンクールで優勝したヴァン・クライバーンの存在が挙げられる。
クライバーンの優勝は、当時冷戦で対立していたソ連でのアメリカ人の快挙として、凱旋帰国した際にはクラシックの音楽家としては空前の大フィーバーが起こった。クライバーンの『ピアノ協奏曲第1番』は、ビルボードのポップアルバムチャートで1位(7週連続)を獲得した唯一のクラシック作品である(2007年現在)という事実からも当時の人気ぶりが伺える。

Van Cliburn & Kiril Kondrashin : クライバーン : チャイコフスキー : ピアノ協奏曲第1番 & ラフマニノフ : ピアノ協奏曲第2番

20世紀アメリカを代表する伝説のピアニスト、クライバーン。1958年のチャイコフスキー国際コンクール制覇直後に、ニューヨークの目抜き通りで凱旋パレードを行なったクライバーンが録音したチャイコフスキーの協奏曲は、クラシック初のミリオン・セラーとしても有名です。開始部から、明朗な音色を駆使した爽快なアプローチをとり、時の人の勢いが随所に刻み込まれています。憂愁よりも、フレッシュなセンスが表に立った名演は今きいても新鮮な感動をもって胸に迫ります。カップリングのラフマニノフも、誠実で屈託のない表現が魅力的です。

Martha Argerich & Kiril Kondrashin : ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 : チャイコフスキー : ピアノ協奏曲第1番

アルゲリッチの代表的な録音2つをカップリング。しかも両方ともライヴで、アルゲリッチの美質が遺憾なく発揮されている。30代後半の、奔放さと緻密さが見事に一体となった、天才ならではの快演だ。

Vladimir Horowitz & Arturo Toscanini : チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(1941年録音)

ホロヴィッツとアルトゥーロ・トスカニーニとNBC交響楽団の演奏によりチャイコフスキー、ブラームス作品を収録したアルバム。 (C)RS

Nobuyuki Tsujii & Valery Gergiev : At White Nights (2012)

2011年以来、ロシアで、イタリアで、ドイツで共演を重ねる世界の巨匠ワレリー・ゲルギエフと辻井伸行。今年秋には待望の日本ツアーが実現する。これを記念して2012年の初共演から生まれたチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。

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